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『就任6ヶ月、そしてこれから』校長 岩間秀彬 |
私は、4月1日に新校長として就任しました。同6日の入学式の式辞で、新入生の皆さんに、二つのことをお願いしました。一つは、「感謝の心」を直ぐ口に出して、「ありがとう」と言うこと、二つ目は、「夢と目標を持ち、その夢の実現に挑戦すること」でした。このお願いは、生徒達に言い続けていくつもりです。
また、教職員の皆さんには、「すべては、生徒の成長のために」を合い言葉に、チームワークを大切にして行くことを、強調しました。今、まだ6ヶ月ですが、「すべては、生徒の成長のために」の合い言葉が、何人かの先生の口から自然に出てくるのを耳にします。
私の北高崎からの電車通勤も、今はもう生徒達に違和感無く、自然と溶け込んだ姿で受け入れられているのを感じます。最初の1~2週間は、当然、新校長の顔など知るよしもなく、ある日、学園から駅までの徒歩帰りの途中、雨が降り始めて、前を歩いていた生徒に傘を差し掛けました。その生徒が卓球部の生徒と言うことで、福原愛ちゃんの話で盛り上がりましたが、駅近くになって、その生徒が突然、「おじさん、何処の会社に勤めているの?」と自然な口調で問いかけてきました。こちらも、事も無げに、「君の学校の校長だよ」と言ったら、ぎょっとしたのが可愛くもあり、印象的でした。こんな、小さなエピソードに、毎日、いろいろな形で出くわした6ヶ月でした。
私は、企業の出身ですが、生徒の皆さんもやがて、社会に出て、企業にも勤める機会もあります。社会や企業が何を求め、どのような人材を求めているかについては、肌身に感じて知っております。新島学園の6年間にどのような生徒像を目指して育成していくかについては、お役に立てると思います。
また、新島学園の卒業生ではありませんが、私は、クリスチャンですから、2年間新島学園の理事を務めさせていただいた中で、キリスト教精神に基づく、新島襄先生の生き方に感銘し、「人一人は大切なり」の教えに基づく建学精神によって、生徒の教育に関わることは、自分の信条と一致することです。
不易流行と言う言葉がありますが、新島学園の不易の伝統は、しっかり生徒の心に植え付けながら、流行の部分は、新しい時代の変化を敏感に捉えて、生徒の養育にも日々新たなものを取り入れていくつもりです。
ここで、あらためて、新校長としての今年度の教育方針に触れておきます。
「すべては、生徒の成長のために」を合い言葉に、生徒の育成として目指すべき姿は
この方針に基づいて、社会が求める人材を育てるに当たり、新島学園の教職員の力を、ある一つの方向に結集して行く「しくみ」がほしいと思いました。 教育現場では、一般に、チーム力の不足が考えられます。新島学園でも健全なチーム力の育成が、「しくみ」作りの鍵になると思いました。
教師一人ひとりは、極めて専門性が高く質も高いのですが、どうしても個人商店の乱立状態で、ショッピングモールのような全体コンセプトを明確にしたアプローチが見受けられません。教職員の個性を尊重し、個性豊かな才能に磨きをかけ、それを相乗的に生かすチーム力をつけることにより、私学としての生き残りと発展を計っていきたいと願っています。
教育現場でのチーム作りとして、下記に示す7つの心得を、今、教職員と共に学んでおります。
最後に、毎朝の礼拝によって、すべてが始まる新島学園の年間聖句を記して、筆を置きます。
「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも、感謝しなさい。」
(新約聖書 テサロニケの信徒への手紙Ⅰ 5章 16節~18節)