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理事長近影  

新たなステージにおける
新しい新島学園作りについて 
-No Place like Niijima-

学校法人新島学園 理事長 湯浅康毅

平成27年7月4日(土)に開催された安中根笹会において、新たに学校法人新島学園の第5代理事長に就任された湯浅康毅氏により、「新たなステージにおける新しい新島学園作りについて No Place like Niijima」と題する講演が行われました。新理事長が新島学園をどのように感じられているのか、また、今後の運営の基本方針などを知ることができる大変貴重な講演であることから、ここにその講演録をご紹介いたします。


【2】

 次に、二つ目についてお話いたします。
私はこの春に理事長として母校にお招きいただく際に私がOBとして、また保護者として、さらには経営者としての立場で母校を客観的に見たときに、この学校の最大の資産とは一体何だろう?と考えてみました。

 現在、中高がある安中キャンパスに約1200名の生徒たちが、また、短大がある高崎キャンパスには約360名の学生たちがおります。そして、それぞれに教育の技を守る教師、教授たち、それらをサポートする教育システム、教育環境を整える施設、さらに、学校を対内的にも対外的にも支えていただく保護者の皆様、同窓生の皆様、他学園関係者の皆様、これらは、みんないずれも欠かせない、とても大切な宝であります。

 ただ、私は新島学園の宝って何?と問われたときに、真っ先に頭に浮かんでくることは、やはりこの学園の名前の由来である新島襄が、明治7年(1874年)にアメリカより帰郷され、日本においてキリスト教の種を上州安中の地に初めて蒔かれた、という出来事であります。このことが無ければ、いまこうして我々は母校のことを中心に集まることが出来なかったかもしれないわけです。

 新島襄の影響により、私の高祖父である湯浅治郎を含め、地元の有志達で聖書の学びを重ねた結果、明治11年に新島襄司式の元、日本初の自治自立のキリスト教教会である安中教会が設立されました。そして、後に地元のクリスチャンを中心に新島襄父祖の地に新島襄の精神を基としたキリスト教的教育を行う学校設立の機運が高まり、明治7年に新島襄が福音の種を蒔かれてから69年後、第二次世界大戦敗戦後の混乱期である昭和22年(1947年)に新島学園は、この安中に誕生することになります。第1回目の入学式は新島学園所縁の安中教会において、初代校長で安中教会7代目牧師の江川先生により行われました。

 新島学園がある上州安中は、新島襄の教えを無形の宝としてこの地に暮らす信者が代々育み、守り、成長させ、そのカタチを変えていきながら手渡しでその精神を受け継いできている新島襄原点の聖地であり、この歴史的事実は我々が誇るべき新島学園最大の資産だと思っています。今年、新島学園は創立68周年を迎えておりますが、私個人的にはこの学園も含むこの上州安中の地で起こった『新島ムーブメント』は、明治7年から始まり今年で141周年を迎えていると考えています。

 この中にあって新島学園が他の学校と決定的に違う点は、これまで歩んできた年月と同じくらいの時間をかけて設立されたことにあります。

 そういった意味で新島学園は非常に根が深く、現在も存在している意味・意義があるのだと思っています。我々は、新島襄の上に起こった奇跡の連鎖を共有している同志なのだと思います。

 最後に三つ目ですが、私は、新島学園のこれまでの歩みは大きく分けて二つに分けられると思っています。
一つ目は明治7年に新島襄のメッセージがこの地で発せられた時から新島学園が設立されるまでの69年間、二つ目は昭和22年に設立されてから今日までの68年間。そして、今年から私が理事長に就任させていただいて、新たな三つ目のステージが始まることになります。
このことで一番大切にしたいことは、先ほど来から申し上げております通り、私が理解している新島学園の最大の資産を取り組みの軸においた上で新島学園の精神を守り、そしてその上で新しいチャレンジをしていくことに尽きます。歴史の積み重ねが無いところは、または、歴史を理解していないところは、時代に流されるまま目先の新しいテクニックを取り入れたとしても、とかく根が深くないので根付かないことが多いものですが、我々には先人が築いてくれた誇るべき歴史・文化が有難いことに既にあるわけです。
安中教会第5代目牧師でおられた柏木義円先生もこう仰っておられます。
新島先生の名を使うからには、その学校を維持するためばかりに心を割いたり、国や一般人気に気を使い過ぎたり、生徒の数が減るのを恐れていることばかりに気を取られているのだったらそんな学校は閉めてしまえと。
この根っこの部分のことを真の意味で理解し共有することがまず大前提であって、その上で新しい取り組みを重ねていくと、それは単に新しいだけでなく『深み』になっていきます。
今回先月(6月)の18日に新島学園として本日お配りしたものと一緒の広告を上毛新聞様に掲載させていただきました。この紙面は学校法人新島学園を代表して私から同窓生の皆様はじめ地域の皆様へのメッセージであり、これから実現していこうとすることの手段のひとつであります。

 私は、理事長就任時に四つの要素で構成される基本方針を掲げさせていただきました。
一番大切な目標である概念は『人生の根底に触れる学び舎』です。この概念を実現するための構想は『本物の新島学園作り』としました。この構想を具体的に実現していくための使命は大きく分けて二つで、『伝統を守る(原点の確認)』と『伝統を活かす(新しい価値の創造)』になります。そして、これらを実行していく上の心構えとして常に『本物・本質』というキーワードで臨んでいきたいと考えております。
我々が新しいステージに向かおうとしている未来の新島学園の姿は、新島学園の建学の精神というフィルターを通して、常に『我々が行っていることは本物なのか? 本質をついているのか? 新島襄とちゃんと向き合っているのか? その先にある神様のご意思・計画に沿っているのか?』ということを検証していきながら、かつ、後ろを振り返ったら誰もいなかったという風にならない様に、その歩みを丁寧に重ねていきたいと思っています。

 これからの新島学園のキャッチフレーズは、No Place Like Niijima(こんな学校他に無いよね!)です。是非ご期待ください。また、今後ともこれまで以上の変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
ご清聴ありがとうございました。

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